フリーランスエンジニアとして仕事をしているからには、「もっと収入を上げたい」「稼げる案件を見つけたい」と思うことは普通のことです。ただ、実力は十分にあっても月収100万円を超えているフリーランスのエンジニアは少ないです。
私自身は26歳に独立し、2年後の28歳のときには月収100万円を超えることができました。特にスーパーエンジニアというわけではありません。1つの案件で週5日働いていたときには月収80万円が限界でした。
月収100万円を超えることができた大きな要因は「複数の案件を掛け持ちしたこと」です。
具体的には、週3日で75万円(消費税込み)の案件と、週2日で45万円(消費税込み)の案件を持っていました。それによって月収120万円を達成したのです。
ここでは、複数案件を掛け持ちすることで単価を上げることができる理由と、実際に案件を獲得した方法について解説していきます。
以下が実際に振り込まれた明細です。
目次
複数案件の掛け持ちとは
いろんな案件を経験して技術的に成長し、年収をアップさせたい人や、フリーランスとして働く現状に不安を感じているフリーランスのプログラマーには、複数案件の掛け持ちがオススメです。タイトルにもあるように、複数案件を掛け持ちすれば月収100万円超えも不可能ではありません。
複数案件の掛け持ちは「週2〜3日だけ働く」という契約の案件を2つ以上同時に受けることで可能になります。なお、私のおすすめは週3日案件と週2日案件の2つを掛け持つことです。
週1日の案件もありますが、パフォーマンス面にあまりいい影響がないのでやめたほうがいいです。案件に関わる時間が少ないと、前にどこまで開発が進んでいたか忘れてしまったり、開発するプロダクトに対しても気持ちが入りません。
なお複数案件の掛け持ちは、常駐案件を掛け持ちする場合とリモート案件を掛け持ちする場合との2つに分けられます。それぞれで注意するべきことも違うので注意してください。
常駐案件の場合
エージェントに登録して会社に常駐する案件を担当する場合、基本的には週3日と週2日の案件を2つ持つようにするべきです。月水金は渋谷のクライアント、火木は六本木のクライアントというように常駐先を分けて働くのがおすすめです。
ただし、週5日を超えて働くような状況は避けるべきです。あまりギリギリでスケジュールを組んでしまうと余裕がなくなって体力的にきついのはもちろん、早退や午後出勤などの回数が増えてしまい、両方それぞれのクライアントに不信感を与えてしまうリスクがあります。
こうなると結果両方のクライアントに迷惑をかけてしまうことになり、自分自身も損をしてしまいます。
リモート案件の場合
リモート案件の場合でも、基本的には週5日労働で収まるように案件を持つべきです。週五日以上働いて疲れを蓄積させると作業効率が下がってしまい、結果頑張って働いても、トータルでマイナスになる可能性があります。
そしてリモートで仕事をする場合は、時間の成約がなくなるため、より体調も崩しやすくなります。自己管理を徹底する自信がない人にはオススメできない働き方なので注意してください。
加えて複数の案件を掛け持ちする場合に、全てをリモート案件にするのも避けるようにしましょう。人とのコミュニケーションが適度にあってメンタル面が安定しやすいので、常駐案件とリモート案件の両方を掛け持つのがおすすめです。
フリーランスとして結果を出していくためには、まず心身を健康な状態に保つことが大切です。働く環境はそういった健康面に大きく影響を与える要素なので、フリーランスの場合は特に自分が働きやすい環境を意識して整えることが大切です。
リモート案件を受注する方法
企業に常駐する働き方を中心に仕事をしてきた人の中には、リモート案件を受注する方法や、案件を探す際にオススメのサービスなどが分からない人もいると思います。
リモート案件を受注する方法は「エージェント経由でリモートの案件を受注する方法」と「リモート案件を掲載している求人サービスを利用する方法」と2つあります。
エージェントは基本的に会社に常駐して働く案件が多めですが、一部募集要項にリモート可と記載されていない案件でも交渉次第で可能になるケースがあります。もし希望に近い案件がある場合はエージェントの担当者に相談してみてください。
リモート案件を探す際に特にオススメのサービスは、Codeal(コデアル)やWantedlyです。あと数は少ないですが、クラウドソーシングのLancersでも、たまに高単価の案件が見つかります。
複数案件を掛け持つメリット
フリーランスのエンジニアが複数案件を掛け持つメリットは大きく分けて4つあります。
- 色々なサービスや技術に関われる
- リスクが分散される
- 気分転換になる
- 収入が上がりやすい
色々なサービスや技術に関われる
まず一つ目のメリットは色々な種類のサービスや技術に関われることです。フリーランスの場合、ただでさえ最短3ヶ月スパンで案件を変えられるなどローテーションが早いわけですが、2つ掛け持ちすれば、より早いペースで様々な案件に携わることができます。
加えて、複数の案件に関わることは、いろんな業界の知識を身に着けたり、未経験の技術に関わるチャンスが増えることにもつながります。向上心が高い人や成長欲が高い人には特にメリットが多く、正社員では絶対に実現できない働き方です。
リスクが分散される
複数の案件を掛け持つことは、収入面のリスクを分散させる効果もあります。常駐する会社の経営状況が傾いた場合などに、フリーランスは一番不利な働き方ですが、案件が複数あれば、仮にクライアントの都合で契約を切られても収入がいきなりゼロになることはありません。
もし片方の案件が終了しても、片方の仕事をしながら、またもう一つの案件を探せばいいだけです。サポートがしっかりとしているエージェントの場合は、案件が途切れないよう、事前に動いて調整してくれるので、途中で空白期間が出来てしまう心配もありません。
気分転換になる
複数案件を掛け持つことは気分転換にもなります。案件を担当する期間が長かかったり、トラブルなどが発生して開発が遅延したりすると、ストレスも大きくなりますが、そういう時に他に別の案件があると、特に気持ちが楽になります。
別のシステムや技術に関わることがそのまま気分転換になり、別の現場で開発にしっかりと集中できれば、余計なストレスを溜めずに済みます。
収入が上がりやすい
最後の4つ目のメリットは、収入が上がりやすいというものです。もちろん週五日勤務で高単価の案件もありますが、ある程度ハイレベルな案件でも単価の上限は決まってしまうため、作業量はそこまで変わらないのに、複数案件より不利になってしまう可能性もあります。
複数案件を掛け持ちすれば、週2日で50万円、週3日で60万円という働き方も可能です。もしくは週2日で50万円の案件、納期2ヶ月で200万円の案件など、在宅案件と組み合わせて受注することも可能になるので、よりたくさんの金額を稼ぐことが出来ます。
複数案件を掛け持つデメリット
一方の複数案件を掛け持つデメリットはこちらの4つです。
- 頭の切り替えが大変
- コミュニケーションコストが増える
- 労働時間が増える
- 交通費が増える場合がある
頭の切り替えが大変
一つ目のデメリットは頭の切り替えが大変なことです。
当然それぞれの案件ごとに開発するサービスが異なるので、それぞれ0からコードを理解して、仕様を覚えなくてはいけません。そうしていると、片方の開発をしているうちに、もう片方の開発がどこまで進んでいたか忘れてしまうこともあります。
独立してまもない人や経験がまだ浅い人は、特に感じる負担が大きくなるはずなので、最初にまずは週五日の常駐案件でフリーランスがどういうものかをしっかり掴んでからチャレンジするのもひとつです。
コミュニケーションの負担が増える
2つ目のデメリットはコミュニケーションコストが増えることです。
クライアントが複数になると、その分関わる人も多くなり、コミュニケーションをとる機会は多くなります。クライアントの中にはチャット上でやり取りすることが多かったり、ビデオ会議で打ち合わせをするなど様々です。それぞれの環境に対応する必要があります。
これは常駐案件だけではなくリモート案件でも同じです。コミュニケーションの負担を減らすためには、自分の考えや状況をしっかり言語化する能力と、事前にしっかりと信頼関係を築いておくことが必要です。そうすれば、よりスムーズにやり取り出来ます。
労働時間が増える
特にリモート案件に当てはまることですが、労働時間が増えることもデメリットのひとつです。リモート案件の場合、自分一人でしっかり時間を管理するのはとても難易度が高く、ダラダラと仕事をしてしまいやすいので、自然と労働時間も増えがちです。
誘惑の多い部屋では仕事をしない、一週間に何日かは外出して外で仕事をするなど、時間をより有効活用できる働き方が出来るように、自分で工夫することが大切です。気分が乗らない時は無理にダラダラ仕事せず、思い切って休憩したりするのも大事なことです。
交通費が増える場合がある
複数案件を掛け持つと、交通費が増える可能性もあるので注意しましょう。複数のクライアントに常駐する場合、それぞれの場所が遠く離れていたりすると、移動エリアが定期券の範囲から出てしまうこともあります。
とはいえ、場所を第一に優先して案件を選ぶのは難しいはずなので、家賃は高いですが、IT企業が多い場所に引越してしまうのもオススメです。私自身思い切って六本木に引っ越したら、徒歩圏内で通えることも多くなりました。
複数案件を掛け持つことで月収100万円を超える理由
月収100万円以上などの高額なお金を稼ぐために、なぜ複数の案件を掛け持つことが有効なのか。その理由は大きく2つあります。
企業の予算と単価の関係から
先ほど上でも簡単に説明しましたが、どんなに高いスキルがある人でも、週5日で月収100万円以上の超高額な案件を獲得するのはとても難しいことです。これはなぜかというと、企業が1人のエンジニアに使える予算に上限があるからです。
例えば「予算は60万円以内まで」と決まっている企業に対して「週5日で100万円ください」と交渉しても、当然契約することは出来ません。しかし「週3日で60万円ください」であれば、予算の範囲内なので企業としても検討の余地があります。
ただし当然ですが、こういった好条件の待遇を用意してもらえるのは、あくまでもクライアントに週3日でしっかりと成果を残せると判断してもらった人だけです。そのためには、これまでの経験や、クライアントに与える印象がとても重要なポイントになります。
売れっ子エンジニアの印象を与えることができる
クライアントに単価をアップしてもらうためには、売れっ子エンジニアの印象を与える事が大切で、そのためには複数案件を掛け持つのが有効です。
スキルがしっかりとあって「他にも行くところはいくらでもある」という印象を与えるエンジニアに対しては、クライアント側も「多少単価が高くても契約したい」と考えるものです。
そもそもエンジニアは需要が多い職種のため売れっ子は珍しくありませんが、1つのクライアントに収入を依存していない状況を伝えられればクライアントと良い緊張感を保つことが出来るので、少なくとも適当に扱われてしまう可能性は小さくなります。
多少きつくても収入をあげたい人は複数案件を掛け持つべき
複数案件を掛け持ちすることは、フリーランスエンジニアが手っ取り早く収入をあげる方法の一つとしても有効です。週5日の常駐案件はどうしても単価に上限があり、週5日仕事をしていると、別途個人で案件を受注して開発する時間を確保するのも難しいはずです。
しかし案件を複数掛け持つようにすれば、苦労や負担は増えますが、より収入はアップしやすくなり、成長スピードもあがるので、より自分の希望やキャリアプランに沿った自由な働き方が出来るようになります。
現在週五日の常駐案件を担当していて不満やマンネリを感じている人は、働き方の一つとして参考にしてみてください。複数案件の掛け持ちに興味がある人は、エージェントの担当者に一度相談してみるのもひとつです。