フリーランスエンジニアが仕事を獲得する手段の1つとして、クライアントとなる企業を紹介してくれる「エージェント」というサービスがあります。
しかし、エージェントを使うかどうか判断する際に、「中間マージンを大きく取られてしまうのでは?」「どんなメリットがあるの?」などの不安が湧くこともあると思います。
そこでここでは、「エージェントがどのようなサービスなのか」「エージェントを使うことのメリット、デメリット」について解説します。
メリット、デメリットをしっかりと理解して、エージェントを使うかどうか判断することをおすすめします。
目次
フリーランスエンジニアのエージェントとはどのようなサービスか
フリーランスエンジニアの「エージェント」とは、フリーランスエンジニアを企業に対して紹介する「人材紹介会社」です。
エージェントは⼈材を企業に紹介すると、そのエンジニアが企業と契約している間、毎⽉企業から紹介料(単価の 10〜20%が相場)を受け取っています。
そのため、フリーランスエンジニアはエージェントへの登録から、仕事獲得まで完全無料で使うことができます。
エージェントを使うメリット
エージェントは、以上のような特徴があります。以下では、エージェントのメリットについて説明します。
営業する必要がない
最も大きなメリットは、「あなた自身が営業活動をする必要がなくなる」ことです。
エージェントは⾃社の利益を上げるために、⽇々エンジニアを必要とする企業を探しています。つまりエージェントは「エンジニアを必要としている企業のリスト」を持っているのです。
あなた自身がこの企業のリストに対して営業をするには、莫大な時間と労力がかかります。そのため、すでに企業のリストを持っているエージェントから案件の紹介を受けられることは大きなメリットと言えます。
条件面の交渉を代行してくれる
エージェントは「希望単価」や「週何⽇稼働したいか」などの条件交渉を、あなたの代わりに⾏ってくれるメリットもあります。
フリーランスエンジニアの多くは営業経験がなく、企業と直接交渉すると、単価を低くされてしまうことが多いです。要は「自分ではなく、企業側に有利な条件」で契約してしまうことが多いのです。
エージェントを使うと単価などの条件交渉は、必ずエージェントを通して⾏われます。そのため、エンジニアにとって不利な条件であれば、エージェントから企業に対して条件を改善するよう交渉してくれます。
請求書や見積書の発行など、事務処理を代行してくれる
エージェントを利⽤する 3 つ⽬のメリットとして、請求書や⾒積書をあなたの代わりに作成し、クライアント企業に送付してくれるという「事務処理代⾏」のメリットもあります。
月末に請求書を作成し、クライアント企業に送付する作業は簡単ですが、仕事が立て込んでいると面倒です。また、請求書を自分で作成すると、消費税を含め忘れたり、会社名を間違えたりすることもあり、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
エージェントには請求書や見積書を作成する担当者がいますし、記載ミスがないかどうかをチェックする体制も整っています。そのため、エージェントを使うことで、月末の面倒な作業を省けるだけでなく、書類のミスもなくすことができます。
エージェントを使うデメリット
ここまで「エージェントを使うメリット」を説明してきました。ここからは、「エージェントを使うデメリット」を紹介します。
紹介手数料がある分、単価が低くなってしまう
エージェントを使う一番のデメリットは、企業がエージェントへ紹介料を支払う必要があるため「企業と直接契約する場合よりも、単価を低くされてしまう」ことです。
例えば、企業が「予算80万円でフリーランスエンジニアと契約したい」と考えているとします。エージェントを使わずに直接契約する場合、企業の予算がそのままあなたの報酬になります。この例であれば、あなたの単価は80万円です。
一方でエージェントを使う場合、企業は予算 80 万円のうち、エージェントに紹介料として10万円を支払い、フリーランスエンジニアに対しては70万円というように支払います。この例の場合、直接契約の場合と比べるとあなたが受け取る金額は10万円低くなります。
このように、エージェントを使うことによって、単価が低くなるというデメリットは理解しておくべきです。
クライアント企業との直接交渉が禁止される
エージェントを使うもう1つのデメリットは、「クライアント企業との直接交渉が禁止される」ことです。
エージェントには前述のように、「企業との交渉を代⾏してくれる」というメリットがあります。しかしエージェント経由でしか交渉できないことは、交渉が得意なフリーランスエンジニアにとっては逆にデメリットとなります。
エンジニアと企業との契約期間が1年を超えると、現場責任者との信頼関係が出来上がります。するとエージェントを通さずに、直接交渉しても希望が通ることも多いです。
しかしエージェントを使っている場合、どれだけ企業の現場責任者と付き合いが長くなっても、条件面の交渉をするときにはエージェントを通さなければいけません。
メリット・デメリットを理解してエージェントを使うか判断すべき
以上のように、エージェントを使うことにはメリット、デメリットがあります。
ただ、記載したメリット、デメリットは、あくまで一般的なものと考えてください。人によっては、ここで記載したメリットをデメリットに感じることもあります。
例えば、すでに人脈が多くあり営業をする必要がない場合には、わざわざ単価を下げてまでエージェントを使う必要はありません。
このように、人によってメリット、デメリットの感じ方はさまざまです。大切なことは、上記の一般的なメリット、デメリットを理解し、エージェントを使うべきかどうか判断することです。