今回はフリーランスエンジニアのスキル別の単価相場や単価の決まり方などについて説明していきます。なお単価の相場表は私自身の独自調査によるもので、しっかりとした経験に基づく数字です。
フリーランスになることを検討しているエンジニアの人は「フリーランスエンジニアの単価相場はいくらくらいなの?」「もし自分が独立したらどれくらいもらえるの?」といった事を気にする人が多いと思いますので、今回はそういった疑問にしっかりと回答していきます。
なお単価をアップさせる方法として、私が最高月収150万円稼いだ方法や、単価100万円超えするためのポイントについても説明しています。特別なスキルを持ったスーパーエンジニアではない人でも単価100万円超えは可能なので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
フリーランスエンジニアの単価相場の決まり方
フリーランスエンジニアの単価相場は、以下の3つのポイントをベースに決まります。
- スキル(プログラミング言語)
- 開発工程
- 経験年数
1. スキル(プログラミング言語)
フリーランスエンジニアと一口にいっても、どの言語を選ぶかで自分の単価も変わってきます。習得する言語は、単価の面も含めて出来るだけ慎重に選ぶべきです。エンジニアとしての経験がまだ浅い人やこれからエンジニアを目指す人は特に注意しましょう。
今回は、言語別にフリーランスエンジニアの単価の相場を整理してみました。経験3〜5年のプログラマーとして比較した場合の数字です。
言語 | 単価相場 | 一般的な案件内容 |
---|---|---|
Ruby | 70〜90万円 | ほとんどがRuby on Railsを扱うWeb開発。Rubyエンジニアは増加しているが、まだ足りていないため高単価案件も多い。 |
PHP | 50〜70万円 | CakePHP、Laravelを扱うWeb開発が多い。PHPエンジニアは多いため、高単価案件は少ない。 |
Python | 80〜120万円 | 機械学習を扱う案件は単価100万円を超えるものも多い Djangoというフレームワークを扱うWeb開発案件はWeb開発の単価相場 |
iOS(Swift) | 70〜100万円 | iPhoneアプリ開発。需要は高いがSwiftを使えるエンジニアがまだ少ないため高単価案件も多い。 |
Android(Java) | 60〜80万円 | Androidアプリ開発。Javaエンジニアは日本に多いため、需要は多いが供給も多く、高単価案件は少ない。 |
2. 開発工程
参加する案件がどのフェーズに該当するかによっても、単価は変わってきます。なお、システム開発の開発工程は、以下のように大きく3つに分類できます。
- 上流工程:企画・要件定義・仕様作成
- 中流工程:プログラムの設計やコーディング
- 下流工程:テスト
他の業界の場合と同じで、フリーランスエンジニアの場合も、上流工程になればなるほど高単価になるので、企画や要件定義が出来ると有利です。これからフリーランスになる人は、会社員の時に上流工程の仕事を経験してから独立するのもひとつです。
上流工程について
システム全体を俯瞰して設計するような「アーキテクト」と呼ばれるエンジニアになると、月額100万円以上稼ぐ事も可能です。上流の中でもさらに超上流と呼ばれるような、プロジェクトのスタート段階から携わる形だと報酬も高くなります。
中流〜下流工程について
実装やテストコーディングなどを担当する案件で経験年数が3年以下だと、報酬は月額40万円くらいが相場です。
上の表でも紹介したように、最低でも3年以上経験があれば、フリーランスエンジニアとして毎月50万円以上稼ぐ事が出来るので、現在フリーランスになる事を検討している人は一つの目安にしてみてください。
3. 経験年数
エンジニアの場合は、年齢よりも経験年数の方が重要です。目安として1つの技術を5年以上使っていると高単価を狙いやすいです。
ただし独学などで「自分で勉強した程度」では評価されません。あくまでも実務で使った経験が評価されるので注意しましょう。
能力があるのに単価が低くなるケースも
フリーランスエンジニアの仕事は、特に実力がものをいう世界なので、現場での経験年数が多くなるほど基本的には有利になりますが、一部例外もあります。
例えばどんなに経験豊富な人でも、年齢が50代以上になると参加できる案件の数が少なくなり、場合によっては単価も低く設定されます。
理由としては、技術的なトレンドにキャッチアップできないのでは?という不安や、周りのメンバーに若い人が多いことからコミュニケーションの面で不安があり、このような扱いを受けるようです。
エンジニアからするとこれらはとても不本意な事だと思いますが、フリーランスになる際はこういったことも考慮に入れた上で、将来のキャリアを築いていく必要があります。
単価が高くなる要因
同じスキルや経験年数であっても、契約する企業によって報酬単価に違いが出てしまいますが、それにはしっかりと理由があります。その理由をしっかりと理解した上で案件探しをすると、高単価の仕事をゲットしやすくなるので覚えておきましょう。
人材不足の緊急度
まず一つは、需要と供給のバランスが影響して単価が高くなるケースです。具体的には、エンジニアがいないとプロダクト開発が進まないようなベンチャー企業や、大手企業で短期間で大規模な開発をしなければいけないプロジェクトなどです。
当然人手が足りていなければいないほど、自分の価値は上昇します。そして報酬がUPするだけでなく、人が足りていない案件にジョインすると感謝されやすいので、感じるやりがいも大きくなります。
地域が異なれば単価も変わる
会社の所在地も価格が変化する要因のひとつです。エンジニアに限らず、地方の会社は都心の会社よりも給料が低いですよね。
システム開発における「エンジニアの単価水準」が公開されていますが、東京で単価が100万円でも、例えば青森では65万円まで下がります。
最近はリモート案件を受注できるサービスも増えて来ているので、地方在住のエンジニアは、リモートで対応可能な案件を受注するほうがより多く稼げるケースもあります。
自分の単価は「相場 + 希望」で決める
フリーランスエンジニアは「自分の単価をいくらに設定すべきなのか?」と悩む人が多いです。仕事で3年以上使ったスキルの案件は相場通りの単価がいいですが、もしも5年以上経験しているスキルがあれば、相場に自分の希望額を上乗せしても問題ありません。
エンジニア+αの経験があれば高い単価を引き出せる
経験年数だけではなく、自分の武器になるプラスアルファの魅力があれば、高単価の仕事を獲得できる可能性がさらにアップします。
要は自分と契約すると具体的にどんなメリットがあるのかを伝えて、それが価格相応のメリットだと納得できれば、会社は単価が少し高くても承諾してくれます。
他のフリーランスエンジニアにはない違うスキルをもっている事、そしてどのような形で利益に貢献できるのかなどを、実績とセットでアピール出来るようにしておきましょう。
経験を積むために単価を低くするのも戦略
ただし、高単価の仕事をゲットするためにあえて単価を低くして経験を積むのも、フリーランスエンジニアならではの戦略です。
フリーランスは最短2~3ヶ月スパンで色々な現場を経験出来るため、働き方を工夫すると会社員の時よりも早いスピードで成長できて、その分単価も上げやすくなるからです。
単価100万円超えはどんなエンジニアなのか?
報酬を上げていくにあたって、単価100万円超えを一つの目安にするフリーランスエンジニアが多いです。しかし、一般的なエンジニアが単価100万円を超えることはかなり難しいです。特殊な能力、もしくは案件を取るときの戦略が必要です。
スーパーエンジニア
ほとんどの人が到達できないような、一握りのスーパーエンジニアになる事ができれば、単価は100万円を軽く超えます。
エージェントのレバテックが「最高月収160円」と記載していますが、これはこういったスーパーエンジニアを指しているのでそのまま鵜呑みにすべきではありません。
AIエンジニア(Pythonエンジニア)
AIエンジニア(Pythonエンジニア)になる事は、単価100万円越えを目指す際に有効な方法のひとつです。
データサイエンティストと呼ばれる機械学習エンジニアになると、単価100万円超えの案件が狙えます。ただし、高度な数学の知識が求められるため、報酬の高さだけの軽い気持ちで、AIエンジニアにならないほうがいいです。
複数案件の掛け持ち
上の2つは、どちらもある種、特別な能力やスキルが必要になる方法ですが、一般的な「普通の」エンジニアでも、複数案件を掛け持ちすることで単価100万円超えを狙う事が可能です。
私は案件を掛け持ちして最高月収が150万円だったことがあります。ただ3つの案件を掛け持ちして、結果からだを壊しそうになったのであまりおすすめしません。
無理のない範囲の方法だと、週3日で60万円の案件と週2日で40万円の案件を探せれば月100万円稼ぐ事が可能です。
ただ案件を探す事自体がけっこう大変な作業なので、必要以上に単価に固執しないことも大事です。
高単価案件を見つけるにはエージェントから常に情報収集をする
高単価案件をゲットするために、最低限必要な事は、エージェントから送られてくる最新情報をこまめにチェックする事です。必ず複数のエージェントに登録して、月に数回送られてくるエージェントからの案件紹介メールにしっかりと目を通すようにしましょう。